看護師という仕事をしていくにあたって体力と精神力は欠かせないものです。特に救急医療の現場で活躍する際は、患者さんの生命の危機と常に向き合うことになるため、心身ともに極めてタフであることが求められます。当然、常に迅速な対応をする必要があるため、テキパキと俊敏に動ける体力は不可欠です。まさに、丈夫な体と体力の資質が備わっていないと務まらない職種だといえるでしょう。
そして、常に平常心を保てるかという点も、救急医療に携わる者として欠かせない資質です。救急医療では頻繁に生死を分けるシビアな場面に立ち会うことになるため、どんなときでも冷静な対応で、平常心を保てないと務まりません。患者さんの家族の延命治療の選択、代理医師による臓器提供の決定など、胸がつまるような思いをしなければならない場面に立ち会うこともあります。そういった時、いつも感情を持っていかれるようなら、精神が疲弊し切ってしまいます。そのため、どんな時でも看護師という立場であることを忘れず、客観的な視点にブレずに立ち続ける姿勢が大事になってきます。パニックにならず、いかなる時も集中して看護に当たれる自分でいられるなら、難なく救急看護を続けられるでしょう。
さらに、救急医療の現場では医師・専門スタッフ・部署外のスタッフ、患者さんとその家族など、あらゆる立場の人と接していくことになります。看護師は、その間を取り持つ橋渡し役のようなポジションでもあります。そのため、さまざまな人をまとめる高いコミュニケーションスキルが求められます。現場ではもちろん、普段から積極的にコミュニケーションを取り、人間関係を築ける人材になることが求められます。